久しぶりに、強力におすすめしたい映画を見ました(*^^*)
それは、「荒野に希望の灯をともす」です♪
主人公は、中村哲さん。お名前を聞いたことのある方や、写真を見れば思い出す方もいらっしゃるかもしれません。
アフガニスタンでボランティアの医師として何万人もの命を救った方。
しかも干ばつでカラカラに乾いた土地に、全くの素人なのに用水路を作るという大事業を成し遂げて、たくさんの人たちが自給自足の生活を取り戻すのに大きく貢献された方。
すごい支援をされた方、というところまでは私も知っていましたが、そのお人柄やアフガニスタンに関わるようになったきっかけなど詳しくは知らなかったんです。
映画自体は、生前に撮影された映像をつなぎ合わせて編集されたもので、ことさらに感動を煽るような構成ではありませんでしたが、自分の目の前に助けを求める人がいるからと、その人の為に動いていって、その積み重ねが最後には、大河から用水路を引く大工事へと繋がっていく。。。その軌跡が中村さんの深みのある言葉と相まって、じんわりとした感動があり、涙なしでは見れませんでした(T_T)
まず、ものすごく感慨深かったのが、中村さんは最初からすごく大きなヴィジョンを持って、アフガニスタンに行かれた訳じゃなかったんですよね。
それよりも、目の前の求められることを必死でこなしていくうちに、どんどん携わる医療支援の規模が大きくなっていったようで。
ボランティア医療に携わるきっかけになったのは、日本で精神科医として勤務していた高度成長期の医療の在り方に疑問を抱いて、パキスタンへの登山隊に同行する医師に志願したことなんだそうです。その道中で、パキスタンの村人たちに治療を頼まれるのですが、登山隊の為に医薬品を残しておかないといけないので、大半を断らなければならなかった、その無念さから後にパキスタンの病院へ勤務することになったのだそう。
重病の人達を目の前にして、何もできずに心が痛むのは誰にでもあると思うのですが、帰国してからもそれがずっと残っていて、あえて大変なパキスタンの僻地の病院で働こうなんて、ならないですもんね。。。
しかも、医療設備の整っていない病院で薄給で。これは映画では触れられていないのですが、中村さんは精神科医だった為、高度な手術をこなすようになるには並大抵の努力では無かっただろうことを、どこかの新聞記事で読みました。
それで、そのパキスタンの病院にやってくる患者の多くは、ソ連の侵攻から国境を越えて逃れてきたアフガニスタン難民の人達だったんですよね。ソ連軍のように破壊する者、全てを奪っていく者と、中村さんのような与える人、助ける人との光と影のコントラストが強く心に残りました。
また、この構図は9・11の後のアメリカによるアフガニスタン爆撃でも再現されていて、アメリカ軍の軍用機が空中を旋回する下で、中村さんやアフガニスタン人による用水路建設工事が行われている映像がありました。
”実際に機銃掃射を受けた”というナレーションもあり、そこでも「対テロ戦争」という大義の下で一般市民が犠牲になるのに対して、中村さんはイデオロギーで敵か味方かを分けずに、”相手が困っているから”助ける。
”干ばつで人々が暮らせなくなっているので、用水路を作って水を引こう”という、とてもシンプルな論理で動いているんですよね。しかも無償で。つくづく、愛をベースにハートからの導きに従って動いていらした方なんだなあ。。。と思います(T_T)
実際、大変な苦労の後で用水路が完成した後は、カラカラに干上がっていた砂漠に木が育ち畑が出来て、お金の為に傭兵やゲリラになっていた人たちが村に戻ってこれたと、それこそが本当の平和ですよね。
見終わって、自分は人を助ける側に立てているだろうか? いつでも愛をベースに動けているだろうか? 深く考えさせられた映画でした。
と同時に、何だか温かい気持ちにもなれました。
中村さんが凶弾に倒れたのは悲しい出来事ですが、奪う人もいれば与える人もいて、
中村さんの活動に共感した大勢の人達の寄付のお陰で医療活動や食料支援が行われ、大変な飢饉でもたくさんの命が助かったという事実は、地球には悲しい出来事がたくさんあるけれど、もう一方では愛を表現している人たちがたくさんいる、という明るい現実を見せてくれています。
ぜひ、たくさんの方に観て頂きたいなと思います。特に、この世界に少し嫌気がさしていて、希望を持ちたい方には強力おすすめです!