「生命は流れである」ー 分子生物学者の福岡伸一さんの言葉です。
私のようにエネルギーを扱う人間なら、うんうんと大きくうなずける言葉です。なんですが、実は福岡さんの言葉はエネルギーについて、ではないんですね。
「生命は流れである」とは
この「生命は流れである」という言葉の前に、「生命は機械ではない」という言葉がつくのですが、「生命は機械ではない」は、まだ納得がいきますよね。もちろん、生きている私たちは機械ではないので。
では、福岡さんのおっしゃる「生命は流れである」とは、一体どういうことなのでしょうか?
私たちが毎日摂っている食べ物、実は原子レベルでは、その約半分以上が燃やされることなくそのまま細胞の中に入っていく。。。そうして細胞が日々入れ替わっているのだそう。
爪や髪の毛はもちろん、骨や歯みたいに硬いものや脳細胞のように死んでいく一方だと思っていたような細胞さえ毎日作り替えられていて。便の中身も食べ物が消化されたものではなく、自分自身の細胞の捨てられた分が大半だと聞くと、驚きですよね(*’ω’*) そして、その捨てられた分、食べ物からまた新しく細胞が作られていくんだそうです。
そうやって1年経つと、物質レベルでは殆ど別人のように入れ替わってしまうんだそう。なので、長い時間軸で見てみると、私たちは固体ではなく流体、つまり「絶え間なく流れている流れ」ということになるんですね。
福岡さんの生み出した言葉”動的平衡”は「生命は絶え間のない流れの中で合成と分解がバランスをとっている」という意味だそうですが、ここはすごく重要なポイントだと思うのです。
身体に部分はない
エネルギーボディ―ワークでクライアント様の身体に触れさせて頂いていると、その方の身体の中では何かしら動きがあって、その動きは身体全体の中でバランスを取る方向へと向かって行く。
それを、常にどなたの身体に触れていても感じます。
生命って、動きなんだなあ。。。と、つくづく実感します。
私のオステオパシーの師匠が「身体に部分はない」とよくおっしゃるのですが、「生命は流れである」とすると、部分になりようがないんですよね(^^)
例えば、耳は部分に見えるけれど、耳を”聞こえる機能を担う器官”と定義すると、耳に音が入って来ると鼓膜が振動して、その振動が耳の中の小さな骨から内耳に伝わって、その振動が刺激となって神経伝達物質が放出されて聴神経に伝わり、そして電気信号として脳に伝わっていく。
その一連の流れが”音が聞こえる”なので、もしも聞こえにくいなどの症状があった時に、耳の部分だけを切り取っては扱えないんですよね。その流れ全部を見る必要があって。
そうして37兆個もの細胞が合成と分解を繰り返しながらお互いに連携し合って、ウイルスや細菌など外敵から身を守り、体温を常時36~37度に、体液を弱アルカリ性に保っている。。。本当にすごい働きだと思います(*^^*)
先日珍しく風邪を引いて、一日寝込んだ日があったんですが、「あー、今免疫反応が起きてるな、37兆個の細胞が回復に向けて、バランスを取る方向に動いているんだな」と思うと、身体がすごく愛おしくて有難い気持ちになりましたヾ(≧▽≦)ノ
皆様も、風邪を引いて熱が出てきた時には、”今免疫細胞がウイルスと頑張って戦ってくれているから熱が出ているんだな”、”37兆個の細胞は回復しようと頑張ってくれているから関節が痛くなったり頭痛がしてるんだな”と思ってみてはいかがでしょうか?
痛みや熱はあるにしても、身体を信頼できると心が穏やかになって、副交感神経が優位になって、更に回復が早まりますよ(*^^*)